生真面目先生のちょっと大人の恋の話
私はそのタイミングの良さにあっけに取られる。

「そうなんですか、一ノ瀬先生。どうしてそこから話をしてくれなかったんですか?」

横田先生は大きな声を出す。

「だって…、わざわざ自分で言い出すことでもないでしょ。」

「そういう所が真面目過ぎるんですよ、一ノ瀬先生。」

福田先生はそう私に言いながら、将人に手を差し伸べた。

「おめでとう。吉永先生もこの輪の中に本当の意味での仲間入りだな。」

将人はがっしりと福田先生と握手した。

「いくら宏弥が邪魔しても福田先生と私がちゃんとフォローしますからね。」

横田先生は気味が悪いくらいにこりと笑った。

「宏弥を納得させるのは大変だけど、私なりに頑張りますからね。」

「でも宏弥に横田だけを見てもらうようになる良いチャンスだな。」

別の意味で二人が盛り上がっているような気がする。

将人は空いている椅子に腰かけた。

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