憧れのアナタと大嫌いなアイツ
・・・
「それで?花乃が煮詰まってるのはミーティング?」
社食で同じA定食を食べながら私の下がった眉毛を指摘しながら器用にパスタを巻く麻美
「メモしてた閃きが底をついたの」
何度もパスタを巻き付けては解いて見映えの悪くなったボロネーゼを突きながら携帯のメモアプリを開いてスクロールして見せる
ママがここに居たら『食べ物で遊んじゃダメ』って叱られそうだけど
今の私にはそんな余裕すらない
何度目かわからない溜め息をつくと
「ここいい?」
憧れの低い声が落ちてくると同時にカタンと
隣の席にトレーが置かれた
「は、はいっ」
スッと伸ばした背筋に力が入ると麻美がクスクスと笑った
藤堂室長が隣に座っただけで分かりやすく染まる頬を誤魔化すように俯いた
それでもこんなチャンスなかなかないはずと勇気を出して隣をチラ見する
出来る男は所作も素敵・・・
キリッとした口へと運ばれる箸を見ていると
「ん?」
憧れの顔がこちらを向いて近距離で目が合った
「あ、い、いえ」
格好良くて見惚れていました〜なんて言えないから吃りながら助けて光線を出して麻美を見た
助け船を出してくれるはずの麻美は私の様子が可笑しいのか口元が緩んだまま
「キョロキョロしないで食べないと
昼休み終わっちゃうよ」
なんて冷たく言い放ち、焦る私を面白がるように室長と交互に見た
「こちら良いかしら?」
微妙な空気を打ち破った綺麗な声は
ーー泉さんーー
藤堂さんの正面に専務秘書の泉琴音さんが妖艶に口角を上げて立っていた
「あぁ」
短く答えた室長はそのまま極上の笑顔を泉さんへ向けた
「それで?花乃が煮詰まってるのはミーティング?」
社食で同じA定食を食べながら私の下がった眉毛を指摘しながら器用にパスタを巻く麻美
「メモしてた閃きが底をついたの」
何度もパスタを巻き付けては解いて見映えの悪くなったボロネーゼを突きながら携帯のメモアプリを開いてスクロールして見せる
ママがここに居たら『食べ物で遊んじゃダメ』って叱られそうだけど
今の私にはそんな余裕すらない
何度目かわからない溜め息をつくと
「ここいい?」
憧れの低い声が落ちてくると同時にカタンと
隣の席にトレーが置かれた
「は、はいっ」
スッと伸ばした背筋に力が入ると麻美がクスクスと笑った
藤堂室長が隣に座っただけで分かりやすく染まる頬を誤魔化すように俯いた
それでもこんなチャンスなかなかないはずと勇気を出して隣をチラ見する
出来る男は所作も素敵・・・
キリッとした口へと運ばれる箸を見ていると
「ん?」
憧れの顔がこちらを向いて近距離で目が合った
「あ、い、いえ」
格好良くて見惚れていました〜なんて言えないから吃りながら助けて光線を出して麻美を見た
助け船を出してくれるはずの麻美は私の様子が可笑しいのか口元が緩んだまま
「キョロキョロしないで食べないと
昼休み終わっちゃうよ」
なんて冷たく言い放ち、焦る私を面白がるように室長と交互に見た
「こちら良いかしら?」
微妙な空気を打ち破った綺麗な声は
ーー泉さんーー
藤堂さんの正面に専務秘書の泉琴音さんが妖艶に口角を上げて立っていた
「あぁ」
短く答えた室長はそのまま極上の笑顔を泉さんへ向けた