憧れのアナタと大嫌いなアイツ
午後からの仕事は何度もファイルを捲っては戻し
パソコンの画面はいつのまにかブラックアウトしていて
どこかうわの空で気付いたら終わっていた


「花乃!行くよっ」


更衣室を出ると麻美に手を引かれて駅前デパートのバーゲンへと向かった


「ほら、ボンヤリしてると欲しいの買えなくなっちゃうよ?」


「・・・うん」


「藤堂室長と泉さんのことなんて花乃が悩んだって仕方ないじゃん」


「そだね」


「だったら楽しく行こう」


コロコロとよく笑う麻美を見ながらデパートに着くころには気分もスッカリ浮上していた


知り合った頃から麻美はいつも前向きで明るい女の子
頭で考えて気分を上げ下げする私と違って
考えたって始まらないから〜って何でも笑い飛ばすパワーがある麻美が大好きだ


「さぁ、行くよ」


会社帰りのOLだらけの大人可愛いコーナーを前にして麻美と2人で戦闘態勢に入った






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