憧れのアナタと大嫌いなアイツ
高等部の頃から通っている洋食屋さんのビーフシチューのお陰で
幾分胸の内がスッキリとし始めたのに・・・
神様は試練を・・・いや
意地悪を仕掛けてきた
「花乃・・・あれっ」
気づかなければ良かったのに食事を済ませて駅まで歩く道の反対側に藤堂室長の姿を見つけた
「・・・っ」
息を飲んで凝視した先に藤堂室長と、その腕にまとわりつくように腕を絡ませている泉さんの姿があった
「仕事かな」
「仕事なら腕、組まない」
「酔っ払って脚がおぼつかないとか」
「そんな時間じゃない」
気を使った麻美が気のせいだと言わんばかりに話しかけてくれる
本当は乗っかりたいのにそれを直ぐに否定しまうネガティブな私
ーーやっぱり妹ーー
「こんな日はパーっと飲んで帰ろ」
麻美に背中を押されて駅前まで重い脚を進めるとお気に入りのショットバーまで無言で歩いた
「いらっしゃい」
いつものようにカウンターの隅に座ると頼んでいなくても甘いカクテルが出される
麻美の従兄がやっているBARはイタリアンレストランで修行した経歴もあって早い時間は食事もオーダー出来る
「お腹空いてないか?」
「大丈夫、食べてきたから」
麻美とマスターのやり取りをどこか遠くに聞きながら
ボンヤリする頭を誤魔化すようにグラスを空にした
幾分胸の内がスッキリとし始めたのに・・・
神様は試練を・・・いや
意地悪を仕掛けてきた
「花乃・・・あれっ」
気づかなければ良かったのに食事を済ませて駅まで歩く道の反対側に藤堂室長の姿を見つけた
「・・・っ」
息を飲んで凝視した先に藤堂室長と、その腕にまとわりつくように腕を絡ませている泉さんの姿があった
「仕事かな」
「仕事なら腕、組まない」
「酔っ払って脚がおぼつかないとか」
「そんな時間じゃない」
気を使った麻美が気のせいだと言わんばかりに話しかけてくれる
本当は乗っかりたいのにそれを直ぐに否定しまうネガティブな私
ーーやっぱり妹ーー
「こんな日はパーっと飲んで帰ろ」
麻美に背中を押されて駅前まで重い脚を進めるとお気に入りのショットバーまで無言で歩いた
「いらっしゃい」
いつものようにカウンターの隅に座ると頼んでいなくても甘いカクテルが出される
麻美の従兄がやっているBARはイタリアンレストランで修行した経歴もあって早い時間は食事もオーダー出来る
「お腹空いてないか?」
「大丈夫、食べてきたから」
麻美とマスターのやり取りをどこか遠くに聞きながら
ボンヤリする頭を誤魔化すようにグラスを空にした