憧れのアナタと大嫌いなアイツ
「じゃ、誤解も解けたみたいだし帰るわね」
「あぁ」
「可愛い部下さんをちゃんと送ってあげなさいよ」
「わかってる」
突風のように吹き荒れて、かき混ぜると帰ってしまった泉さん
「悪かったな、琴音はマイペースだから」
「いえ、大丈夫です」
泉さんのお陰で失恋オアズケですっ!なんて少し嬉しくなって頰が緩む
「少し顔色良くなったな」
正面で見せた笑顔に腰が砕けそうになる
ーーほんと破壊的ーー
この笑顔を独り占め出来る人は幸せだろうなぁ
それが私ならば本当は一番だけれど
どう考えても敵が多すぎる
色んなタイプのお姉様達の陰口に耐えられる私ではない
藤堂室長に気づかれないように小さく溜息を吐き出すと突進しそうな気分にブレーキをかけた
それなのに・・・
目の前で極上のスマイルを作った萌え眼鏡の藤堂室長は
「間違ってたらごめんな、花乃ちゃんって俺のこと意識してるよな?」
ものすごい直球を投げてきた