憧れのアナタと大嫌いなアイツ
「ひっ、あ、あの・・・へっ?」
顔に書いてあるかと不安な気持ちが頰を両手で隠す
ククッと喉を鳴らして笑う萌え眼鏡さんは
「今は妹以上に思えないけど嬉しいよ」
全く告白もした覚えもありませんが
ムンクの叫びの表情で固まる私に近づくと
頭をポンポンと撫でて
息がかかる程の耳元で
「送るよ」
甘く囁いた
「ひゃっ」
頰に貼り付けたままの両手が一瞬で熱を帯びる
スッピンでシワシワのスーツ姿のまま
放心状態の私を乗せた車はあっという間に家に到着した
「おかえり」
車に気づいた父が出迎えに出て来たせいで昨夜の醜態を暴露するハメになり
「じゃあ週明けに」
片手を振って車に乗り込むと颯爽と走り去った萌え眼鏡さん
漸くホッとして肩の力が抜ける
「もう少し寝よ」
ポツリと吐き出した声を逃さないように
「さぁ、詳しく話してもらおうか」
ニヤニヤしている父に食い気味に遮られ強引に手を引かれながら家に入った