憧れのアナタと大嫌いなアイツ

女の子達に囲まれているだけあって
雑誌のモデルさんかと見紛うほどキレイ

それに・・・

自分はカッコ良くてモテると分かっている風の仕草はどれもよく似合っている

「制服着てないってことは・・・大学生?それとも・・・S女?」

「え?」

「当たりか〜、S女ね。。これから屋台?食べ終わったら俺たちが案内してあげるよ」

「は?」

私服で学園祭に来ているだけで謎解きのように学校まで当てるって怖すぎる・・・
誠愛のことも否定も肯定もしていないけれど彼の中では確定事項らしく

「周りの女の子達とはレベルが違うよ」
とか
「可愛いね」
とか

気持ちの入らない台詞かってツッコミたくなる程スラスラと言葉を並べる

それに反応しないように俯いたのは
周りを囲む女の子達の視線が痛かったから

ただひたすら俯いて麻美が帰ってくるのを待った

それなのに・・・

“萊夢(ライム)”と名乗った目の前の彼は

「どうしたの?」

サッと立ち上がると私の椅子の前に跪いて

「可愛い顔が俯いてると見えないよ」

極上スマイルで頭を撫でた

「っ」

スマホを握りしめたまま顔を上げられない

「ライ、やめろ」

「ん?柊(シュウ)が声掛けろって・・・」

「いいからやめろ」

仲間割れ?いや、助けてくれたの?自分に都合良く解釈したのに

「ちょっといいか」

やめろ!と言った彼に腕を掴まれて
強引に輪の中から連れ出された







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