憧れのアナタと大嫌いなアイツ
「勝手に言い逃げすんじゃねぇ」
エレベーターに乗り込んで2回目の壁ドンをした柊
両手の間に閉じ込められた私は
驚きと恐怖とよくわからないドキドキとが合わさって
いつもより息を吐きすぎて
コイツに囚われながら2回目の過呼吸に陥った
「は、はなっ!」
・・・・・・
・・・
・
広いお花畑でスキップしていた
モンシロチョウとミツバチ
そして・・・
湖に佇むのは・・・
「・・・っ!」
「気がついたか」
フカフカのベッドに寝かされていて
その脇には優しい顔で微笑む柊がいて
愛しむように頭を撫でている
「今度は俺が助けてやった」
スッと細められた目に
また急に強く打ち始める心臓
「そう照れるな」
甘く指摘されたことで
赤くなった頰に気づいた
なぜか柊も耳まで赤くしていて
極甘カップルの雰囲気
ーーち、違う!流されちゃダメーー
心に喝を入れながら
「ココドコ?」
敢えて抑揚を無くして聞いたのに
「ジュニアスイート」
部屋のタイプを答えた柊は
「急だったからさ、ここしか空いてなかったんだ」
更に残念そうな顔をした