憧れのアナタと大嫌いなアイツ

「ご迷惑をおかけしました」


名残惜しいフカフカから起き上がろうとすると
両肩を持ってポフッと枕に戻された

「俺のせいで昼も夜も抜いたら、また倒れるだろ、そうじゃなくても軽すぎだ!ルームサービスを取ったから来るまで寝とけ」

柊は頭をポンポンと撫でるとベッドに腰掛けた


えーっと・・・

ここまでをまとめると・・・

連れ込まれる→文句を言う→逃げる→
捕まる→倒れる→抱っこされる→連れ込まれる

サワサワと撫でられる頭が心地いい・・・

「じゃない!」

心の声がダダ漏れで大きな声が出て驚く

「ん?」

頭を撫でていた手がオデコで止まって
顔を見つめられて一気に居心地が悪くなった

「さっき言ったこと、伝わった?」

「あ?7年前の恨み辛み?」

「そう!だから・・・」

「だから?」

「アンタと金輪際関わりたくない」

漸く藤堂室長に抱きしめられても平気なくらいに回復した苦手意識が悪化する

そう思ったのに

「俺、お前のこと好きだって言ったよな?」

だからってそれは・・・
私が口を開くのを拒むように


「7年前みたいに逃げられると思うな」


強い語気と漆黒の瞳に炎が見えた






「攻めて攻めて攻め落とすから覚悟しろよ」


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