憧れのアナタと大嫌いなアイツ
結局のところ深夜まで続いたお喋りは
いつ終わったのか・・・
いつ眠ったのか・・・
アラームの音で目覚めると
ベッドの下に敷いた麻美の布団は片付けられていた
そういえば・・・麻美は
高校から大学までの話限定ではあるけれど
“探偵かよ”って突っ込むほど
柊の事を調べていた
冷酷無比、鬼畜で笑わない男
特定の彼女はおらず
来るもの拒まずのタラシだったらしい
冷たい男がタラシなはずもないのに・・・
でも・・・
長谷川流で見た三人のようにあの視線に石化しない女の子もいたかもしれないと納得した
確かに怖い・・・けど・・・
冷酷無比・・・とは思わない
少なくとも私の前では蕩けるような笑顔も見せ、気持ちをストレートにぶつけてくる激甘な柊
ーーどっちが本当の柊だろうーー
寝起きのままベッドの上で独り言ちる
♪〜♪〜♪〜♪
スマホが奏でた音で我に返って
画面を見て驚いた
「もしもし・・・」
(朝早くからすまない)
「はい、大丈夫です、何かありましたか?」
(いや・・・花乃ちゃん今日予定ある?)
「え、あ、・・・はい」
(そっか、じゃあ少しだけ10分で良いから出て来れない?)
「今からですか?」
(うん)
「良いですよ、とは言ってもまだパジャマなので少し待って下さいますか?」
(支度出来たら電話して)
「はい」
終話ボタンを押すと
急いで階段を駆け下りた