優しい恋
帰りのHRの時には、雨が降り出していた。
「雨降ってきちゃったねー。
傘持ってなーい。
美咲は傘持ってる?」
「私も持ってないよ」
「雨なのに残るの大変だね〜。
・・・変わってあげようか?」
「林田先生と話したいの?」
「えっ、いや、別に〜」
「先生に怒られちゃうかもしれないよ?」
「先生は怒らないよーっ。もう美咲は!
帰りますよーだ」
ガラガラ…
「HR始めまーす。座ってくださーい。
雨降ってきちゃいましたね。
傘持ってますかー?」
「「持ってないでーす」」
「先生も持ってないです」
先生の言葉にみんなが笑う。
「雨だからHR短くしますね。
音楽の授業の時書いてもらった
好きな曲は、後で使うので
楽しみにしててください」
あ…そうだ、紙渡さないと…
「何に使うんですかー?」
実菜が嬉しそうに聞いた。
「内緒です」
「えー」
「悪いことには使わないから大丈夫です」
またみんなが笑う。
「雨なので気をつけて帰ってください。
HR終わります」
「先生面白いよね〜!
何に使うんだろう?好きな曲。
楽しみだな〜。
あ、美咲は休んでたから書いてないね」
「さっき紙もらって書いたよ。
渡してくるね」
「私は帰ろうかな〜」
「気をつけて帰ってね」
「美咲もね〜。
先生も気をつけて帰ってくださ〜い」
「はーい。さようなら」
「先生可愛いー!
美咲のことよろしくです!
さようなら〜!」
「紙ありがとう。
佐伯さん面白いね」
「先生が来て嬉しいみたいです」
「そっか。
学園祭の話始めようか」
「はい」