優しい恋


「先生とカフェに来られて幸せ〜。
ありがとうございます。
先生は、前の仕事何してたんですか?」

「前も音楽関係の仕事してたよ」

「学校の先生ですか?」

「そんな感じかな〜」

「そうなんですね〜。
どうして今の高校に来たんですか?」

「校長先生と知り合いで
前の音楽の先生が辞めるから
やってほしいって頼まれて」

「えっ、校長先生と知り合い?」

「うん。いろいろお世話になったから
やろうかなって思って」

「先生、真面目!」

「そんなことないよ」

「そっか〜、校長先生と知り合いかぁ〜」















「お待たせ致しました」

「美味しそう!写真撮ろ〜。
あ、先生も撮っちゃおうかな」

「ダメー」

「え〜。じゃあ学園祭のとき一緒に撮りたーい!
学園祭どうする?美咲何したい?」

「え?あー…」

「先生は何かありますか?」

「みんなで決めよう。
明日話あるでしょ?」

「そうですね!
学園祭楽しみだねー」

「うん」

「先生、明日は来ますか?」

「どうかなー」

「えーっ、来てくださーい!

「わかんない。いろいろ忙しいから」

「そうですかー…来てほしいなー…」

「そういえば、朝どっか行ってたの?」

「課外授業です!
もう喉カラカラです〜」

「2人のこと見たよ」

「えっ?!どこで?!」

「廊下の窓から。
佐伯さん行きたくなさそうだったね」

「えー…見られてた…。
暑いから行きたくなかったですー…」

「熱中症にならなかった?」

「大丈夫でーす!」

「よかった」

「先生優しいー!!」


「桜井さんは?熱中症、大丈夫だった?」

「大丈夫です」

「そっか。よかった」

「美咲喋ってないね。どうかした?」

「え…別に…」

「いつもは喋るんですよ。
昨日なんて、学園祭の話代わってあげようか?って言ったら
林田先生に怒られちゃうかもしれないよって」

「いいよ、その話は」


「佐伯さんはよく喋るね」

「喋りますよ〜。楽しいから。
先生もいるし!
喋りすぎて喉カラカラ〜」







♪〜♪〜♪〜

「あ、お母さんから電話だ。
ちょっと出てきまーす」





実菜は電話に出るため、外に行ってしまった。


「大丈夫?」

「え?」

「なんか元気なさそう」

「大丈夫です」





ほんとは大丈夫じゃない…
学園祭に出たい。
だけどいつ具合悪くなるか…
倒れてしまうかもしれない…
実菜と学園祭に出たい。

そして…




先生とも…

























「……美咲!どうしたの?」

「あ…戻ってたんだ」

「呼んでるのに返事しないし。
顔色悪いよ?大丈夫?」

「うん…大丈夫」

「ごめん、おじいちゃんが具合悪いみたいだから帰るね」

「うん。気をつけて帰ってね」

「美咲もね。
先生も気をつけて帰ってください。
…あ、お金置いときます」

「気をつけてね」

「はい」


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