優しい恋
「おじいちゃん大丈夫だといいね」

「実菜、おじいちゃん大好きだから
良くなってほしいです」

「そうなんだ。
さっきの佐伯さん、なんか違うね」

「いつも明るいけど、すごく真面目で…
課外授業行きたくないって言ってたけど
ほんとは、みんな熱中症になったら
大変なのにって。
みんなの事も私の事も考えてくれる
優しい友達です」

「そっか。
佐伯さんとはいつから友達なの?」

「小学校からです。
中学の時、同じ高校行こうねって約束して
2人で頑張って勉強して…
合格した時は一緒に泣きました。

実菜の家でお祝いして
私のお母さんが、合格したから泊まっていいよって言ってくれて
実菜の家に泊まって、楽しかったです」

「いい思い出だね」

「はい。実菜とは、ずっと友達です」















生きられる時間は少ない。
でも、実菜とは友達でいたい。
1番大切な友達だから…
















「もう行こうか。遅くなっちゃったね」

「はい。今日はありがとうございました」

「桜井さんも真面目だね」

「そんな事ないです」

「真面目なのはわかってるよ」

「え…」

「じゃあ、また明日ね。
気をつけて帰ってね」















真面目なのはわかってるって…
先生、私の事見てくれてるのかな…
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