儚い絆
ろく


お見合い当日

柊吾は、おじいちゃんとお留守番
私は、母さんとお見合い会場に行く。


お相手のお母様だけ見えていて
本人は少し遅れるとの事で
何度も私達に頭を下げていた。

「大丈夫ですよ。
私達は、急いでないので。
ですが、お見合い事態がお嫌なのでは?
それでしたら、私は帰りますが。」
と、叶愛がいうと
「そんなことは・・
仕事ばかりの息子を心配して
私の姉の紹介なのです。
良い年の男が
いつまでも独り身でいるのは
良くないと言われまして」
と、お母様。

ああ、やはり
あちらも乗り気ではないようだ。

それなら、断り易いかな
と、思っていると
「あっ、きました。
本当に申し訳ありません。
ほら、柊弥もきちんとお詫びしなさい。」
と、お母様が・・

えっ、柊弥?
と、思っていると
「・・叶‥‥愛‥‥?」
の声に顔を上げてみると
やはり・・
「‥‥相‥楽・さん」
「叶愛、お知り合いの方なの?」
と、訊く母に
「うん、前の職場で
お世話になった係長の相楽さん。」
「あら、柊弥と一緒にお仕事されていた
方なの。
それなら、二人で話した方が
良いですよね」
と、お母様
「私達は、ここにいますか、
散歩でもしてきたら。」
と、母さん。

きっと、気づいたはず。
名前も似ているし
どうしよう・・・

と、考えていると
テーブルをコンと叩かれ
「青山さん、一旦ここを離れよう。」
と、言われて
はっと・・
「・・・はいっ・・・」
と、言って席を立ち

相楽さんについて行く
その距離は、まるで
海外の彼と日本にいる私みたいに
離れていた。
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