儚い絆
美弥は、
「叶愛は、柊吾を産みたいと
両親に何度もお願いしたの
当時のおじさまやおばさまの気持ちも
わかるの。
一人娘の幸せを願っていたのに
父親のいない子を娘が産みたいと
急に言い出すのだから。
だけど、叶愛は何度も実家に通い
両親に許しのお願いしたの。
私や隼人も一緒に行ったの何度か。
もちろん、おじさま方が反対したら
私は、叶愛と一緒に育てるつもりでいたわよ。
でも、隼人が
私達では、限界がきっとくる
と、おじさまやおばさまに
頭を下げたのよ。
やっと、
おじさま方から、お許しをいただけたの。
あっ、ちなみに
隼人は、私の恋人よ。
勘違いしないでね。」
と、話してくれた。
「美弥と隼人がいなかったら
柊吾を産めたのかも
わからないの。
柊弥さんが、海外に行った後も
ずっと、私を心配してくれて
支えてくれたの」
と、言うと。
柊弥さんは、二人の元に来て
「知らなかった事とはいえ
すまなかった。
それに叶愛を柊吾を守ってくれて
支えてくれて。
本当にありがとうございました。」
と、涙を流しながら頭を下げた。
「「私達は、叶愛の幸せと
柊吾の幸せを願っているだけですよ。
後は二人でちゃんと話して下さい。」」
と、二人は言ってくれた。
私は、二人の優しさに
涙が溢れていた。
柊弥さんは、そんな私を
抱きしめてくれて
「叶愛、すまない。
本当にすまなかった。
一人で不安だっただろう
辛いこともあっただろう
それなのに、元気な可愛い子を
産んでくれてありがとう。」
と、言ったから
叶愛は、柊弥の腕の中で
何度も首をふった。
そんな二人をみてホッとした
美弥と隼人は、柊吾を連れて
家に入って行った。
柊弥は、
「なぜ、言ってくれなかった?」
と、言ったが
「本当に、あなたはあちらの人と
一緒になると思っていたの。
でも、勝手に柊吾を産んで
ごめんなさい。
迷惑をかけるつもりもなかったの
それに二度と会うことはないと
思っていた。
だから、
あなたの名前を一文字を使わせて
もらって柊吾と名前をつけたの。
再会してからも
やり直すことが
できるのかわからなかったから。
柊吾を持ち出すことは
やめて自分の気持ちを確認したかったの」
と、言った。