儚い絆
「そうだったのか・・・
俺はなにも知らずに
ただ、お前がいなくなった事に
衝撃を受けて嘆いてばかりの日を
送っていた。
そんなとき、叶愛は・・・
一人で頑張っていたんだな。」
「一人じゃないよ。
両親も美弥も隼人もいてくれた
だから、頑張れたの。」
「なあ、叶愛。
その中に俺も入れてくれないか?
俺の気持ちは変わらない。
このひと月で、それは十分に実感した。
今でも変わらず叶愛を愛している。
妊娠したことも
出産したことも知らなかった
俺では、ダメか?」
「私もこのひと月 柊弥さんと過ごして
昔に戻ったように感じていました。
沢山の誤解やすれ違いも
わかりました。
それを確認できなかった私のせいで
柊吾には、父親のいない生活を
させてしまいました。」
「いやっ、それは違う
誤解をさせ、叶愛やあの子にさみしい
思いをさせたのは、全て俺のせいだ。
あの子は、さみしい思いは
していなかったと思う
それは、あの子を見ていたらわかる。
お父さん達や、叶愛の友人達や
叶愛のお陰だ。
もう一度だけ、チャンスをくれないか?
ニューヨークにいたときのようなことは
決してしない。
俺自身も辛い日々だったから。」
と、必死に言う柊弥さんが
うれしい?可愛い?くて、つい・・・
「うふふっ」
と、笑ってしまい。
柊弥さんは、キョトンとした顔をしていた。
「あっ、ごめんなさい。
あまりにも、必死?に言う
柊弥さんが、可愛い?ような
愛しいような
だけど、私はあの子の母親です。
自分の気持ちだけを先行するわけには
いきません。
だから、あの子が柊弥さんを
受け入れるまで待ってもらえますか?」
「そうだな。
だが、あの子は、俺を受け入れて
くれるだろうか?
また、叶愛と離れないと
いけないことにならないだろうか?」
「大丈夫ですよ。
親子なんですから。
それに、今日1日見ていても
柊吾は、柊弥さんが好きだと
わかりました。」
と、言うと
柊弥さんは、半信半疑の顔をしながら
嬉しそうに笑った。