儚い絆

柊弥さんは、柊吾と初めて
お出かけをした日から
日をおかずに、叶愛の実家を訪れた。

そして、叶愛の両親に土下座しながら
過去の話や再会してからの
話をしながら、お詫びと感謝の言葉を伝え、
できることなら
もう一度チャンスを頂きたいと
思っていると言った。

父は、叶愛が幸せになるなら
そして、柊吾が幸せになるなら
私達は、なんの問題もないよ
と、言っていた。

それから、よく週には
柊弥さんのご両親が我が家にみえて
頭を下げてくれた。

これには、私と両親もびっくりして
頭をあげてもらい
座ってもらってから六人で話をした。

そのとき、トコトコと柊吾が入って来て
柊弥さんの顔を見つけると
嬉しそうにしながら
柊弥さんの膝に座った姿を見て
みんなは微笑んでいた。

柊弥さんは、膝に座る柊吾に
顔を近づけなにやら話をしていた。

私が、間違っていたんだ
自分寂しさのあまり
疑心暗鬼になって
柊吾から父親を奪う所だった。
その思いにふけっているとき
柊弥さんのお母様が
「いくらご両親が助けてくれたとしても
大変だったでしょう。
ごめんなさいね。
でも、私も主人も叶愛さんが柊吾ちゃんを
産んでくれた事 感謝してるの
ありがとう。
今からは、柊弥に何でも言いつけたら
良いから、こきつかってね。」
と、言ってくれた。

勝手に勘違いして
勝手に柊吾を産んだ私に
責められてもお礼を言われるとは
思っていなかった・・・
優しい言葉に涙が溢れた。
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