殿堂入りの君は、俺のもの
 ――美沙がコンタクトなんかにしたら。

 まずい。今まで目立たなかった美沙が、一気に男子の標的にされる。コンタクトにした初日に、ラブレターの一つ二つや三つや四つもらうことは想像に難くない。それは非常にまずい。

 俺なんかよりも知的でかっこよくて難しい本を読める奴が美沙のことを好きになったら、勝ち目が無いじゃないか!

 俺は別にいいんだ美沙が眼鏡だろうとコンタクトだろうと。もともと眼鏡をしている時期から美沙のことが好きなんだし。……いや、眼鏡を取った美沙もちろん好きだけど。

 だけど美沙を危険な奴らの標的にするわけには行かない!(ってゆーか、自分が不安)

「……なんかよくわかんないけど」

 美沙は不思議そうな顔をしながら言った。

「大輝がそんな嫌がるならいいや。別に」

「ほ、ほんとに!?」

「うん、別に眼鏡でも差し支えないし」

 淡々と言う美沙。しかし俺はそんな彼女とは対照的に、瞳を輝かせる。
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