あなたの心臓を私にください。
翌日、朝登校していると、後ろからヒソヒソと女子生徒数人が話している声が聞こえてきた

「あの子よ、昨日九1年A組に転校してきた子って」

「とても整った顔立ちの方ね、あれ?1年A組って確か九条財閥の九条要君がいるクラスじゃなかった?」

「そういえばそうね!もしかしたらお付き合いしたりするんじゃ…」

「それはないんじゃない?九条君ってとてもかっこよくてモテるのに、今までそんな話、聞いたことないわ」

全部聞こえてるよ。
私も、自分の顔はそこまで悪くない方だと思う。

時としては色仕掛けもできるから、親に感謝しないとね
なんでも、顔も全く覚えてないけれど母親がすごく綺麗な人だったとか

父が生きている時に話していたのは覚えている



昔のことを思い出していると、もう1つ何か気になる事を言っていた気がした。

…あの人モテるのね
確かに顔は綺麗だけど、愛想が悪いからモテないかと勝手に思ってた。

ほんとに今まで誰とも付き合った事ないのかしら?





そんな事を考えているうちに、教室に着いてしまった。
< 9 / 10 >

この作品をシェア

pagetop