異世界トランスファ
「大変なケガをしているな」


「・・・へ?」


だだ、誰?


ようやく目を開けたと思ったら、全く知らない男の人が目の前にいた。



「お前の転がり具合、堪能させてもらった。かなり痛そうだな」


そう言って男は私をゆっくりと起こす。


「貴方は・・?」


「それは言えないが・・お前は・・」


顔を無理やりあげられジッと吟味された。

ギンとナギが駆け付けた時にはもう遅かった。


「女か」

「!」


私は慌てて目を逸らした。


ど、どうしよう・・ヤバいかもしれない。


ギン達以外の人にバレてしまった。



ドクン・・・ドクンドクン


不安の動悸で体が揺れる。

駆けつけたギンとナギもさすがに焦っている。


「身内か」


「そ、そうです。すみませんうちのが」


「・・・いや。礼には及ばんが・・」



じろり。と細い目で男はギンを見つめる。

ごくり。


男は高貴な感じだが異様な雰囲気の持ち主だ。

色素の薄い金髪は腰まで伸び、美しい男の代表という感じ。



しかし、人生最大のピンチです。


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