異世界トランスファ
「俺・・焦ってる・・」


「は?」


ぎゅうっ。
と私の袖をつかむ。


「だって、どう頑張ったって・・・センリには勝てない」


「な、なんの勝負してるの」


「・・・」


「それに、私はまだナギの事何も知らないよ?知らない人の事を好きになるのって難しいと思わない?」


「でも、ヒオリはセンリの事好きじゃん」


グサッ

やば。地雷踏んだ。


確かに私もセンリの事何も知らない。


「で、でもさ・・雰囲気とか、優しさとか・・そういうところ好きになっていくもんじゃん?」


「ヒオリはただ単にセンリに優しくされてるから好きなの?」


グササッ


あれ?私が浅はかなの?

ちょっと待って、なんか勝ち目が無くなってきた。


「えっと・・」


「俺は・・ヒオリの、元気なとことか、男っぽいとことか、料理がクソ下手なとことか・・全部ひっくるめていいと思う」


あれ?褒められてるの?けなされてるの?
私は首を傾げる。


「あと、俺とちゃんと目を見て話すとこ・・とか」

あ、良い事いわれた気がする。


「あ、ありがとう」


それは嬉しい。
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