異世界トランスファ
センリは私に言葉が通じる様にと、ゆっくり丁寧に話してくれた。


「ヒオリは何処で生まれた?国の名前は?街は?特徴を色々話してくれ」


「・・えと、日本。東京でずっと暮らしてる・・ぁ、ました・・」


「・・・うんうん」


センリは本当に興味津々なんだなと一目でわかるくらいに目を輝かせていた。

早々にギンが茶々を入れてきた。私が何を言っているのかわからないのでつまらないからだ。


「おいセンリ、目キラキラさせやがってキモイなお前」


「うるさいよ筋肉馬鹿。黙ってて」


「んだとぉ?」


「今大事な話を聞いてるんだから静かにしてろって。
ごめんねヒオリ。で、その時代って西暦何年?」


「時代?・・西暦?」



私はセンリのその質問で心がモヤッとした。


「2018年だけど・・それが何か?」


「へぇ・・」



へぇ。とそっけないが、センリの目の輝きが増している。


この人はなんで西暦を聞いてきた?

私のいた時代を聞いてきたって・・まさか・・ね。

この流れは聞くしかないと思った。



「まさかと思うんだけど、ここは・・日本なの?」


「うん。今は名前が違うけど」


「え!・・えええぇぇぇ・・・」


センリの即答に驚きが落胆に変わった。

情緒不安定になりそう。いや、すでになってるんだけどね。


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