異世界トランスファ
買い物中にセンリが自分からギンの話をしてくれた。


「ギンとはね、幼馴染・・というか腐れ縁と言った方が正しいかな」


「へぇ・・」


「5歳の頃に、俺の両親が死んでしまって・・親友の所に預けるって話になった。
それがギンの親父さんのとこだった」


じゃあセンリとギンはある意味兄弟みたいなもんなんだ。


「あの家も実はギンの親父さんの家で、成人したら出て行こうと思ってたんだけど。なかなか出ていけなくてね」


「ふぅん・・」



なんだか嬉しかった。

センリがこんなに自分の事、自分たちの事を沢山教えてくれるなんて。


「だから絶対にギンは戻ってくると思うよ」


「・・ありがと」



気を使わせてしまったのかな。

そんなに私の顔はしょぼくれているのだろうか?

でも自分でもわかるほど元気が出ない。

いつもの調子が出ない感じだった。



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