異世界トランスファ
「離せ。ナギ!!」


「ナギ!!」


必死に二人はナギの手を掴む。

センリが必死になりナギを諭してくれた。


「ヒオリはきっとこの時代に来たくて来たわけじゃない!可哀想だと思わないのか!」


「思わないね」


それでもナギは私の首から手を放そうとはしなかった。


「っ・・っ・・」


やめてって言いたいけど声が出る訳ない。泣いたって気持ちもきっと伝わらない。

だって本当に殺そうとしてるのがわかる。



「ナギ!!!」



ドカッ!


と鈍い音がしたかと思うと、ナギはその場で倒れ込んだ。


ギンが思いっきりみぞおちにパンチしたらしい。


私はそのまま崩れ落ち、センリに抱き留められた。


「大丈夫か!?ヒオリ!?」


「・・ぁ・・・はぁ・・」



私は思った。

ああ、きっとこれで夢から覚めるんだ。

そういうパターンだ。

きっとそう。

きっと。




ふっと

そこから意識が遠のいた。
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