異世界トランスファ
家の客室に通される。

大きくて立派な客室だ。


「改めまして、私はツムギと申します」


ツムギさんは20代後半の年齢といったところか。

おしとやかな雰囲気だ。礼儀正しいし。



「ヒオリです」


「ギンだ」

「ナギ・・」


私達はぺこりとお辞儀をして、椅子に掛けた。


「今日はここでおやすみくださいね」


「あの・・ご家族に迷惑とか・・」


「いえいえ、私はここで一人で暮らしていますから」


「え!?」



それは驚きだ。

こんな立派な屋敷に!?



「先の戦争で家族を亡くしました」


「すみません」


話したくない事を。申し訳ない。


「それに、私にも友達がいますから。楽しくやってますよ」


「あ、そうですよね、ハハ」


不器用か私は。

なんて返したらいいのかわからなかった。


「今日はあなた達とお話が出来て嬉しいです」


と、純粋そうな笑顔で言われた。


私はこの時代に来て思った事がある。


この時代の女性は、汚れてない。


純粋、純朴が似合う。


出会った人皆そうだ。


リッカさんも、城にいた人たちも、シズクちゃんも。


まっすぐなんだよね、心が。


たまに羨ましいとさえ思うほどに。




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