異世界トランスファ
「あ、ヒオリさん聞きましたよ。ナギ君て15才で不登校なんですって!?」


「あ、はい」


え?私は保護者な感じですか?

お母さん的な存在に見られてる?



「信じらんない。私の学校にもいたけど、全然行ってないなんて」


「るせえな。俺の勝手だろ」


「その勝手で将来痛い目を見るのは自分なんだよ?あ~あ残念なナギ君」


「ちっ。」


この子はしっかり者の世話焼きさんなのかな?

楽しそうだな。


「東の国の学校か、やっぱりこっちと雰囲気違うんだろうな。私の行ってたところは球技が強かったのよ」


「興味ねぇよ」


といいつつも少しナギも楽し気だ。


なな、なんだこれ。

イイ感じの二人に見えるのは私だけか?

ここから始まる青春ラブストーリーか(死)



「ナギ君のとこは?」


「行ってねえから知らねえよ。まあ確か、武道の方が強いって聞いたことがあるような」


「へえ~~~武道か!ナギ君もなんか出来るの?」


「そんなの。生まれた時に備わってる」


「は?何それ!ウケる」



いや私はこの事態にウケるんですけど。

嬉しいような悲しいような。

輪に入れずに一歩引いてる自分が愚かに感じるんですけど。


「何が得意なの?」


「あ?なんでもだよ」


「うそばっか~」


めっちゃ楽しそう。

歳近いもんね。

お似合いのカップルになれそうな感じ。



「はぁ。」


何考えてんだ私。


私はため息をついて窓から空を眺めた。



すると


「ん?」


遠くの家の門から入ってくるギンとアサギさんを見つけた。

何やらあっちも楽しそうに笑ってるじゃん!

うっそ。


私は食い入るように二人を見てしまった。
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