異世界トランスファ
私はお湯につかりながら涙をごまかした。


「なんで涙なんか・・馬鹿じゃないの私」



何度顔を洗っただろう。

誤魔化すためにお湯に潜る。



私こんなに弱虫だったっけ?

ワガママだったっけ?

甘えん坊だったっけ?


まるで大好きなものを取り上げられた子供みたいな感覚。


近くにいてくれるだけでも幸せだと思えばいいのに。

私は一人じゃないって思えばいいのに。


「はぁ・・」


ため息ばっかり、お湯に溶け込ませた。

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