異世界トランスファ
「この日輪(ヒノワ)という国は、大まかに東西南北4つに分割されてる訳なんだけど」


「そうなんだ・・」


「ちなみココは東の国。それぞれ統括してる王がいるその支配下だ」


「王って・・昔で言うとこの殿様って事?」


「殿様・・そうそう・・それでね・・」


センリは言いたくなさそうな表情だ。

戸惑っている様に見えた。

そしてギンはそういうもたもたが嫌いらしい。



「言っちゃえよ。知らないとヒオリが困るんだから」

「うん?聞くよ」


センリは私を一度見て、意を決し教えてくれた。



「この世界の男女比は圧倒的に男が勝っている」


「え?男女比?」



コクリ。と二人は頷く。



「遺伝子の問題で、男ばっかり生まれる」


「え?じゃあ・・」


「当然女は貴重になる」


脳裏になぜか男子校が共学校になった感じを思い浮かべてしまった。


男子が沢山に女子めちゃ少ない。的な。



「それってー・・・」


「ヒオリは捕まったら間違いなく、子供を作るだけの人生になる。自分の意思ではなく作らされる」


「え゛・・・結婚してダンナさんとの間に・・」


「古い!考えが古い!」



いや、そりゃそうでしょうよ。2018年を生きてた私ですよ。



「この時代、女性はもっとも大切な人類の生産の源として重宝される。だから王の城に閉じ込められてしまう・・という話だ」


「え・・えええぇ!?」

「もし見つかれば、すぐ保護されるだろう」

保護というか、捕獲的な感じなのだろうか。

別に二人は私を脅しているつもりがない事はわかる。

でも脅しにしか聞こえないし、恐怖で足がガクガクする。

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