異世界トランスファ
「あ!!わかった!ドッキリだ!!」


私は立ち上がり、部屋にカメラがないかをチェックする。


「誕生日が近いしあいつら全員で私を騙す気なんだ!!あんなCG使って、無名の役者まで雇って!
どんだけ私を驚かせたいんだ!まったくぅ!」


本棚の本を全部ひっくりかえしたり、クローゼットの中も全部だした。

ドタバタと激しい音をさせながら部屋を荒らしまくった。


カメラ!ビデオカメラは何処にある!!??ここか!?こっちか!?




「ヒオリ!?」


慌ててセンリとギンが入ってくる。


「うわっ!何やってんだよ」


「入ってくんな!見てわかんないの!?ご乱心だわ!!」


「自分で言ってるし」


「騙されないんだからああっ」


喉の傷が超絶痛い。

でも叫ばずにはいられなかった。


「ヒオリ!落ち着け!」


ギンが私の腕を掴む。


「離して!!」


「いいから!黙れって!!」


「ひゃっ!」


私の顔がギンの胸にうずまった。

ギンの心臓もドクドクいってる。


「信じらんねーかもしれねえけど。俺達は大丈夫だから」


「そう、俺達はヒオリの味方だよ」


「はぁ?騙されないもん!早くドッキリの看板もってきなさいよ」


「ドッキリって・・・何?」


センリがきょとんとしている。


「・・・」


この時代にドッキリはない。

多分。




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