異世界トランスファ

その頃の私はというと放心状態。

もちろんのこと。


「ヒオリ・・」


王は私の肩を抱く。

心配してくれている。

こんな時まで王は優しい。

自分だって驚いていたのに。



「トキワ様・・・どうして・・」


「私にもわからん。流石にダメージを受けた」


「そう・・ですよね」



不可解な事が多すぎて、何度頭がパンクしたら気が済むのか。



「センリは哀れだ。それだけは言える」


トキワ様の言葉を皮切りに私はボタボタと大粒の涙を零してしまった。


「・・・ふ・・うぅ・・」


凄く凄く可哀想。

もし本当に誰かに命令されてこうなってしまっているとしたら・・。


「許せない・・許せないです・・絶対」


「ヒオリ・・」


センリを傷つけて弄んでるヤツがいる。

私の中に憎悪が生まれた。