異世界トランスファ
嬉しい気持ちは、勝手に笑顔にしてくれる。

でも、ここにナギがいたらもっと最高だったのにって。

なんでいつも揃わないんだろう。

ギンとナギとセンリがいて、ようやくあの頃の時みたいに思えるのに。


「ナギ・・」



ナギはその日から城に顔を出さずに、何処かへ行ってしまった。

次の日も、次の日も、まるで前のギンみたいに。

でもナギはまだ15才だ。

お金も持たずにどうやって生活しているのかわからない。


毎日ギンとセンリが街に探しに行ってくれてた。


「あの家出息子が・・」


「誰に似たんだろうね」


「あ?俺だな」


「・・・認めるんだ」



センリの問いに正直にギンは言った。



「前に、俺も出て行ったからな。家」


「え?」


「お前とヒオリがいい感じになっちまって。不貞腐れて」


「は?まさか・・」


「ふん。記憶がないってのは都合がいいな」


と目を細くして睨んだ。


< 572 / 850 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop