異世界トランスファ
ツカサの家にもいないし、カサネのいる病院でもない。

考えられるのは


「まさか、家?東の国の?」


「は?結構距離あるけど・・」


「でもあそこなら備蓄あるし・・畑もあるし」


「そうだな。考えられる」


と城の中で二人が歩いていると、政務を休憩中の王に出くわした。


「トキワ様・・」


「見つかったか?」


「いえ、でも・・東の国の家じゃないかと。まだ15才ですし」


「確かに考えられるな」


「すみません・・身内問題なので、俺達でなんとかします」


「まあ、それはそうだが・・私は用意が整い次第東の城へ向かう。拠点をおくぞ」


突然の王の言葉に驚いて一歩下がった。


「え?」


「装置が東の国にあるのだろう。それに報告が上がっている。街に変身の出来ない人間が多数いると」


「なんですって!?」


それには二人はもっと驚きだ。

知らないところで時空転送が何度も開始されているという事だ。


「急がねば、被害者は増える」


「では俺も準備します!」


「ああ、頼む」


センリは慌てて自分の書斎へ向かった。

ギンはその様子を見ながら顔をしかめた。


「・・・」


「まだ、センリを疑うか」


「ええ、王様こそセンリを今は泳がせている様に見えますが」


「当たり前だ。一度死んだ人間が動いているのだからな」


「・・・・・」


ギンは王に一礼すると、私の部屋に入ってきた。

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