異世界トランスファ
「なんだよ・・勝手に開けんな」

と低く機嫌の悪い声が聞こえた。


ナギ!!いた!!


と私は喜んだが、驚くことにそこには


「あ、こんにちわ・・・」


とちょっと気まずそうな顔したクレハちゃんがいた。


「え?クレハちゃん?どうしたの?」


「家出・・しちゃって」


あんたもかーーい。


ギンはその光景を見て凄く喜んでる。

大人げないわこの人。


「なんだそう言う事だったのかよ。心配して損した、なあヒオリ」


「え・・っと・・損はしてないけどさ・・あの・・なんで?」


「ちょっと・・ツカサの事で皆もめちゃって・・」


あ。そっちもお約束な状況ですか。


「ツカサは私達にもう手を引けって・・う・・うう」


急に泣き出した。よほど辛いのだろう。


「ツムギもアサギも・・怒ったり泣いたりで・・」


「そうだったんだ・・」


「皆ツカサの事好きなのに・・わかってくれないの!ね!ナギ君!」


と近くにいたナギにクレハちゃんはワザとらしく抱き着いた。


「ちょ、おいウザい」


ナギ、酷い対応だな。そこはなぐさめてあげようよ。

相手は年上だけども。


一人で街を歩いていたらナギがいて、一緒にこっちに来たらしい。


「そか・・」


心中お察しします。

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