異世界トランスファ
呆れた声でギンは言った。

「家出少年、めでたしめでたし。だな」

「るせえ。ギンだって家出した事あるじゃん」

「は?あれは家出じゃない」

「嘘だ」

「イタルと飲みに行ってただけだし、てゆーかお前ヒオリの胸に触んじゃねーよ!俺んだ!」

「はあ?お前のじゃねーって!」



あ、喧嘩が始まった。

いつもの二人だ。

ほっとする。

止めないどこ。


「あのう・・ヒオリさん」


クレハちゃんがおずおずと近くに寄ってきた。


「あ、クレハちゃん!ごめんね、ナギが迷惑かけちゃって・・」


「いえ、私も同じだし。ナギ君は自分も辛いのに私を慰めてくれて」


「そうだったの?へえ・・」


あのナギが。

私の育て方が良かったんだな、うんうん。



「このまま、一緒にいさせてもらえませんか」


控え目だ。


「え?いいよ。もちろん、ていうか・・ツムギさん達心配してるよきっと。連絡はしてあげなよ」


「・・・はい!ありがとうヒオリさん!」


私の言葉にとても嬉しそうに返事をしてくれた。


可愛いな。もう。

なんだお前ら。


ちょっぴり幸せをもらいました。



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