異世界トランスファ
「ってそうだ、こんなのんびりしてていいの?」


「あ?平気だろ。」


なんでギンはそんなにマイペースなの!?


「ナギも見つかったんだし、トキワ様とセンリの所に行かないと。遅いと怒られるよ」


「・・・ううむ」


ギンは渋った顔してる。


「行きたくねえな、このまま家でうだうだしたい」


登校拒否の子供か。

そしてギンは思いつく。


「そうだ、クレハ。ツムギ達連絡して、こっちに呼べよ。全員集まったら一緒に城へ行くってのはどうだ?」


「え・・私は構いませんけど・・でも」


「さっきツカサさんに手を引けって言われたって・・」


「はい・・行ってもいいんでしょうか」


そうだよね。そう思うよね。

ギンは思った事をそのまま言う。

デリカシーないヤツだ。


「クレハはツカサの事、好きなんだろ?じゃあいいじゃん。一緒にいたいって言えば」


「そ、そんな単純な問題じゃないんです・・ツカサに嫌われちゃう」



思わずその言葉には私が返事した。


「そうかな?ツカサさんも嬉しいと思うよ。だって、危険な目に合わせたくないから怒ったんでしょ?
それって大事に思われてるって事だよ。
嫌われたりなんかしないよ」


「ヒオリさん・・」

「大丈夫だよ」


相当落ち込んでいるのは見て取れる。

しかしそんな気持ちをよそにギンは手紙セットを渡した。

半ば強引だ。


「決まりな。為せば成るって」


「・・・うん」


「ほら、紙」



言われた通りにクレハちゃんは手紙を書き始まった。

半分しぶしぶの様だったが。
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