異世界トランスファ
すっかり夜になってしまい、私達が家に帰るとナギはまた不機嫌そうにしてた。


「遅い、てか何処行ってたんだよ。ずりぃ」


「ご、ごめん・・」


また心配をかけてしまったか。

猛省。


「いいじゃねーか。クレハも一緒で寂しくなかったろ?」


ギンは二人を見てニヤついてる。


「ああ、寂しくはなかったけど、心配した。ヒオリだけの」


「俺は?」


「するわけねーじゃん。馬鹿」


「ほんと可愛くねえ」


「ふん」



ナギはそれだけ言って自分の部屋に戻った。

一人だけで。


クレハはそれを心配してくれてるみたいだ。


「クレハちゃん、ごめんね。ナギ、疲れるでしょ?」


「え?全然。むしろ可愛いです」


「どこが」


とギンが返した。


「このままナギ君の事好きになったら、幸せなんだろうなあ」


ぎょぎょ。クレハちゃん今なんて。

でも凄く楽し気だ。

その言葉にギンが食いつかないわけがない。



「そうしてやれよ。あいつの恋はすでに破れてるんだから」


「ちょ・・ギン!?」


「へぇ・・そう言う事ですか」


とクレハちゃんのスマイル。


笑顔が怖い。


「ちょ、馬鹿な事言ってないで!!ご飯食べよう!!」


「はーい。手伝います」


「お、お願いしますっ」


やっと家に帰ってきたというのに、気が気じゃないわ!!

自分のせいでもあるけどね(泣)

いや、ギンのせい!!全部!うん!

< 599 / 850 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop