異世界トランスファ
「あの・・一つだけ聞いてもいい?」


「・・やだ」


「ケチ」


「んだと?」



ズササッ。

今度は体ごと私の方を向いたので、私は怖くなって後ろに下がった。



「なんで・・3人で暮らしてるの?」


「・・・」


だって気になるよ。

3人とも歳も離れてそうだし・・。

一番年下そうだし。訳アリかと思って。


しかしナギはサラっと答えた。不愛想だが。


「仕事で」


「え?あ、そうなんだ・・」


「つまんねえこと聞くな」


「ごめん・・なさい」




しゅん。と私はしぼんだ。




そうだよね。そんなの知る必要ないよね。

私には関係ないんだもん。




と諦めた時だ。


「教えて欲しいなら条件がある」


「え!?」



ナギの方から言ってきた事にちょっと感動した。



「何?」


「俺の奴隷として、ギンに歯向かってこい」


「はい!?」



なんつー条件だ。

てゆーかこどもっぽい!!



「俺の奴隷になった事をギンに告げて、ギンから俺の身を守ってくれたら・・」


「くれたら?」


「聞きたい事を全部話す」


「・・・。」



うーーーーーん。

それは微妙だ。

大体マジで奴隷になった訳ではナイ。



「なんでそんなにギンを目の敵にするの?」


「・・・それが知りたかったらやって来い」


うぐ。そう来たか。


でもこんなにナギがこんなにしゃべってるなんて、なんかすごい事なんじゃないかって思う。

さっきもセンリが驚いてたし。




「うーん・・上手くいくかわかんないよ?」


「・・別にどっちでもいいけど」



私は立ち上がった。



「じゃ、言ってくるね」


「え・・」


私の行動に驚いた様な顔のナギ。

ホントに行くの?的な。



不覚にもちょっと可愛いと思ってしまった。
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