異世界トランスファ
1時間半くらいだろうか。

入浴と着替えと化粧の時間。


私は恥ずかしすぎて鏡で自分を直視出来ない状態だ。


「お綺麗ですよ」


「そ、そうですかね・・」


ニコニコとほほ笑んでいる侍女達。


「こんな可愛らしい方がトキワ様の王妃様だなんて」


皮肉に聞こえなくもない。

まるで大奥の世界に来てしまったかの様だ。

この侍女さん達の笑顔が怖い。



今日は和装ではなくドレスだった。


マーメイド型のドレスに少しスリットが入っていて、とてもじゃないけど似合ってると思わない。


恥ずかしさの方が何倍も勝っている。


「や、やっぱもう少し違うドレスがいいんじゃないですかねえ・・」


「いえいえ、これで大丈夫です。お似合いです」


穴があったら入りたいです。



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