異世界トランスファ
涙を拭ってしゃっくりをしている私をギンはずっと抱きしめてくれる。


「行くなよあいつのところになんか」


ギンの大きな手が私の髪を撫でる。


そして、冠を外してそのまま床へ落とした。


「こんなの似合ってねぇ・・」


その手は私の背中にまわる。


ぷち。

とドレスのホックが外れる音がした。


「ギン・・・」


「こんな姿、誰にも見せたくなかった」


困っているその言葉に私の胸がきゅううと唸った。


「俺のヒオリなのによ」

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