異世界トランスファ
「私ね、ナギのど___」

「いい!!」



私がギンに言いかけた瞬間にナギが怒鳴り声でかき消した。



「うるさ・・ナギ、今深夜だぞ」


「・・・こんな事しなくても、いつか勝つし」


「あ?こんな事?」


とギンが言った同じタイミングで、ナギは独りで部屋に戻っていった。



「ナギ・・」


思春期&反抗期の真っ只中なんだね。なんかわかるわ。


心配そうに見ていた私をセンリは椅子に座らせた。



「仲よさげだったな。ナギにとっていい傾向だ」


「あ、いや、そういう訳じゃ」


「そうか?フフ」


センリったら全て見通しているな。

楽しそうにしながらセンリは私にホットミルクをご馳走してくれた。


「まさかの区長の訪問に疲れたろ?これ飲んで落ち着いたら布団に入ってゆっくり休んで」

「う、うん・・ありがと」


な、なんて出来る男なんだセンリ。

一難去った後のフォローまで。

どうやら本物のイケメンのようですな。

私はホットミルクを口につけ、ニヤけた顔を必死に隠した。


素直に嬉しい私です。はい。
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