異世界トランスファ
「ワシはこのコウガの頭首カグラだ」

「えっと・・コウガってあの忍者の甲賀?」

「ほう、お前我々の先祖を知っているのか?珍しいな」

「ええ・・まぁ」


たまたま好きだった漫画が忍者ものだっただけだけど。

隕石で滅んだ訳じゃなかったんだ。

いやむしろ私の時代の人達よりも忍者っぽく感じる。

現代に本物の忍者なんていなかったし。


「我らはこの里の教えを護り、どの国にも属さない。4つの国は大きく分かれ内戦もあるが、他国とは報酬次第で自由に手を組んでいる。いわば裏の稼業よ」

「へぇ・・本当に忍者みたいですね」


って感心してる場合じゃなくて。

ちょっとダンディーなおじさまチックだったので、おずおずと身体が引けてしまった。

なので下手の態度で伺った。


「あ、あの・・場所はわかったんですけど、どうして私をここへ連れてきたんですか」


と聞いてみると、眉がぎゅっとなってしかめっ面をされた。



「言わなくてもわかっていると思ったのだが」


「す、すみません」


「お前は貴重な『女』。どの国も女不足で滅びに向かっている。このコウガもな」


「・・・」


やはりですか。

言わずもがなですか。

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