異世界トランスファ
お風呂場は岩で出来た露天風呂になっていた。

「すご・・天然温泉かな」


湯船に浸かって、空を見上げながらさっきの出来事を思い出したりした。


「ギン・・・」


助けてくれたのかな?

やっぱそうかな?

そうだったら嬉しいな。

そうだったら・・・本当に嬉しいのに。



胸がギュッと苦しくなった。

締め付けられてるみたいに。



ご飯の最中も、さっきも、私には一切目を合わせてくれなかったから。


やっぱり、私の事はもうどうでもいいと思っているんだ。


きっと。



湯船にこぼれた涙は夜だったから見えなくてよかった。

私は何度も何度も顔を湯船につけた。

この感情はもう、いらない感情なんだから。

しまわないと。

と必死に思った。

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