異世界トランスファ
それからギンは鳥に変貌して、翼を羽ばたかせた。

カサネさんと一緒に。

私は引き止める事が出来なかった。

引き止めても、きっと無駄だ。

ギンの真剣な目を見てしまったから。



「ヒオリ、帰ろうぜ」

「うん・・」

「行こう」


私はナギの背中に乗せてもらった。


空中だというのに不思議と恐怖心がその時はなかった。


ナギの大きな背中に顔を埋めた。

ふかふかの羽毛に。


「ヒオリ?どした?」

「ううん・・別に?」



待ってても、いいんだよね?

ギンを。

皆と一緒に。


今はそう思わせて。

お願いだから

思わせて。
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