異世界トランスファ
与えられていた私の部屋に入るとアサギさんとツカサさんとクレハちゃんが迎えてくれた。

やっぱりツムギさんがいない。


「ヒオリ!」

「よかった!!無事で!!」

「ご迷惑をおかけしました・・」


私はたじろぐ。やっぱり気になるのはツムギさんの行方だ。


「あのっ・・ツムギさんは!?」

「帰ってきてないの。てっきりヒオリさんといると思ってた」

「何処行ったんだあいつ・・」


クレハちゃんとアサギさんが思い詰めてる。


「コウガの屋敷を脱出したって、コウガの人が言ってたから・・私もこっちへ帰ってきてると思ってたんだけど」


「うん・・まあ、悩んでても仕方ないし。今から探しに行こう」


ツカサさんの決断力の速さ。素敵です。


「女たちはまだ城の外は危ない。やめよ」

「トキワ様、ですが!」

「女を城から解放したといっても、城下街はまだ危険だ。ヒオリ達もそこで捕まったのだろう」

「・・はい」


トキワ様は何もかも察している。


「城にいた女性達にも女だけでむやみに外出するなと教えてから解き放っている。己しか考えていない男の方が多い時代だ」



私も体験して実感した事だ。ごもっともです。


「城の兵を使っていいから。アサギとクレハはここに残る事。良いな?」


「・・・はい」


二人はとても行きたそうにしていたけど、ツカサさんも真剣に頷いていたから納得したみたいだ。

< 810 / 850 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop