異世界トランスファ
「ナギが王様かー」

「信じらんねえな」

「え?自分でも?」

「ああ・・」


私は目を疑った。

目に映ったナギの手がちょっと小刻みに震えてる気がする。


「ナギ・・?無理してない?」

「は?してねえし」

「でも・・」

「俺は。ヒオリがいればなんでも頑張れるし」

「は、はあ///」


なんかこそばゆい事を言われた。くすぐったい。


「まあ、正直ずっと平民として暮らしていくと思ってたからよ。あの家で」


「あ・・そうだよね」


「いきなり王になれって言われてもって思ってたけど。ギンがああなっちまったからな」


ズキン


出て言った事がきっかけだったんだね、やっぱり。


「センリもトキワにべったりだし、もう俺もなんかやりたい事見つけねーとな」


「うん。そう思えたって事が凄いよ。偉い」


今ではもう15歳のひきこもりの少年じゃないもん。

しっかりと目がキラキラしてるし、羨ましいくらいだ。



「だからー」

「ん?」

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