異世界トランスファ
ちゅ。


「ひゃわわっ」

「んだよ。色気ねえ声」


不意打ちのキスをされた。


「な、なにすんのよ」

「は?キスに決まってんだろ」

「ななな、なんで急に」


慌ててる私の態度が気に食わなかったらしい。

目つきがめちゃくちゃ悪くなった。


「お守りがわり。俺が上手く行きますようにってな」

「あ・・」

「それくらいいいだろ」

「ナギ・・」


よく見たらやっぱり手が少し震えてる。


「はー。だっせぇ。柄にもなく緊張してるし。一人だと檻の中のライオンみたいにグルグル動いちまうし」


「え?そうなの?」


ちょっと可愛いんですけど。


「だからヒオリの力が必要だったんだよ」

「そっか」


そうストレートに言われたら協力しなきゃって思う。

私もナギに沢山助けられてるし。
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