異世界トランスファ
それからナギは私の目をワザと逸らして言った。



「ギンに、頼まれたからな」


「・・・・・・え?」


「ヒオリを頼むって」


え?



え?



え?




ちょっと話についていけなくて、ギンの名前を聞いたら涙がまたボロボロ出てきてしまった。

もう私は干からびそうなんですけど。

泣きっぱなしで。



ぎゅううううっ!!

ってナギが私を力いっぱい抱きしめる。


「いっぱい泣いて強くなろうな?」



その言い方ギンにそっくりすぎて死ぬ。

ナギは私の頭をゆっくりと撫でてくれた。子供をあやしてるみたいに。


「ギンが戻ってくるまで、俺が絶対に護るから」


「う・・うぅ・・・うわあああんっ馬鹿ナギっ!!!馬鹿ギン!!!だいっきらいいいいっ」


「はいはい。泣け泣け。俺も泣きてーってのー。せめて好きって言えよなー」


もう。

何この自作メロドラマ。

古くて、熱くて




でも好きだわ。
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