異世界トランスファ
コンコンコン


聞いたことのあるノックが聞こえた。


「失礼します。ここにイザナギ陛下とヒオリがいるって聞いたんだけど」


「センリ!」


「陛下ってやめろよ。きも」


「ハハ、ホントの事だろ?ナギ。皆も元気そうでよかった」


センリが笑顔で部屋に訪れた。


「どう?仕事大変?」

「ああ。トキワの気持ちが大分わかる」

「なら良かった」

「なんだよ?俺の様子を見に来たのか?」

「それもある」


ソファーに座って一息つくセンリ。

なんだか緊張が走った。


「もう一つの時空転送装置の場所が特定できそう」


「え!!??」


それは大事件では!?


皆目を見開いた。



「あと、先日保護したサコン教授に色々話を聞いて」

「うんうん!」

「俺はこの一年、違う研究所にこもっていたらしい。研究仲間と一緒に。でも誰かはサコン教授にも教えていないらしくて」


そうなんだ。


「でも・・つき止められそうだ」


ビリリと電気が走った感じになった。

センリの決意の目が、命を懸けている様に見えたから。
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