異世界トランスファ
「ヒオリ・・」

「?」

「ありがとうな」


ギンの目はとても穏やかで、透き通っていた。

ふんわりと笑顔を咲かせて、私を抱きしめてくれる。



「一緒に暮らそう。またあの家で」


「・・・うん!!!」


嬉しさが涙になって頬を伝った。

何回泣いてるんだ私は。


「でも、装置の事は最後までやり通す。これはヒオリだけの問題じゃねえし、今や世界の問題だしな。絶対に装置を見つけ出して悪用できない様にする」


「・・うん」


「必ずお前のところに戻ってくるから、信じて待ってな」


「うん、わかった。信じる」


「どうだ?今なら全世界の誰よりもイケメンに見えるだろ?」


「それはどうだろ」


「なぬっ」


また余計な事を口走ってる。

でも、今はそう思う。

誰よりもカッコいい。




私のギンだ。
< 844 / 850 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop