異世界トランスファ
「無理無理無理無理!!!!」


泣きながら抗議する。


「大きな声出さないでくれ。バレちゃうよ?」


「うぐっ」


それは嫌だ!!

私は両手で口を抑え込んだ。


すると横からギンが並びこう言った。



「その掴み方が怖いんじゃねーの?ヒオリ俺の背中に乗りな」



今私はセンリの大きな足の爪によって捕まえられてる状態だ。

確かに背中の方がマシかも。



「う、うん・・いいの?ギン?」


「当たり前だろー?思いっきり俺を掴んでくれ。抱きしめてもいいぜ」



下心ありありの見え見えだが、今はどうでもよかった。

この状態でお空を飛び続けるなんて無理難題。

センリは頷く。



「わかった。じゃあゆっくりギンの背中に降ろすから」


「う、うん・・それも怖いけど」



何て言ったってちゃんと掴むものがない。羽毛しかないんだ。

馬みたいに手綱があればよかったのに。



「せーの」


「きゃあっ」


センリとギンはリズム良く私を交換した。

ギンのふわふわの羽毛の上に乗った。


「どう?大丈夫か?」


「う、うん・・なんとか」


「そりゃ良かった。首に手回せよ」



嬉しそうなギンだ。

なんだか悔しいがここは甘えるしかない。


「安全運転でお願いします」


「おうよ!」


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